シンガポール在住T.M.さんより
バリ島 ウブド 

1. 豊かなバリ

  • バリに行って驚いたのは、物質的にも精神的にも豊かであることだった。もちろん西洋的、日本的尺度からすればインフラ未整備、観光地で寄ってくる物売りの人々など、発展途上国そのものであったが、他の国にはない豊かさがこの島の魅力ではないかと感じた。
  • 物質的には高温多雨の気候がもたらす年に3度の米の収穫と豊富な果物と植生。特に山裾に広がる棚田(ライステラス)の整備のされようは驚異的ですらある。
  • 精神的には日々の暮らしの中に宗教が隅々にまで息づいている。屋敷内や道端の石像に対する毎日のお供え物と儀式。さらに日々行われるバリダンスの芸術性の高さ。
  • 世界の国々の中でもこれほどの豊かさに恵まれている地域はあまりないのではないか。その根底にあるのは、宗教(あるいは自然)への信仰に支えられた人々の勤勉さにあるような気がしてならない。そこに懐かしさを感じる日本人が多いのも頷ける。
2. バリの楽しみ方

  • バリにはいろいろな楽しみ方がある。リゾートとしてのんびり過ごすのも良し、マリンスポーツを楽しむのも良し、景色を楽しむこともできる。あるいは日々開催されるバリダンスを鑑賞するばかりでなく、自ら踊りや演奏を習うこともできるし、宗教に根ざした彫刻の数々、西洋絵画と融合した絵画が目を和ませてくれる。他の地域では見られない民芸品の数々とその珍しさに比べての安さから、買物も大きな魅力である。
  • 宿泊先にしても、リゾートホテルから、最近はやりの隠れ家的なビラ、ロスメンなどの安宿と、その目的に応じて様々なバリエーションがあり、そして値段にかかわらずそれぞれの期待に十分応えてくれる。
  • 人それぞれにベストの過ごし方があるので、ある人にとってベストでも別の人にとってはつまらない、あるいはその逆もある。自分たちが「何をしたいのか」をはっきりさせた上で、滞在先を考えていくとより楽しい滞在となるだろう。もっともその場での思いつきの寄り道でも十分物語性に富んでいるので、そこがまた魅力と言えよう。


 

 

3. 私たちのバリ

  • 「毎日がリゾート」とも言えるシンガポールに住んでいるので、人気の南部リゾート地域は敢えて避けて、「シンガポールにないバリらしさ」を求めて、芸術の村ウブドに滞在することにした。
  • ウブドでのホテルは、家族構成と行動パターンを考えて、バロン・リゾート&スパにした。これは@小中学生の子供3人なので2ベッドルームタイプの部屋があるところ、A上の娘は買物、下の息子2人はプール遊び、という志向を考えて行動の自由度があるウブドの街中、という基準で選んだ。加えて、バリダンスの開催場所に徒歩でいける、というのも選択理由の一つだった。
  • 結果は大正解、であった。以下、簡単に行動についてご紹介しよう。
  • 深夜に着いた翌日は遅い朝食を取ったあと、モンキーフォレストに向かって途中の店を見ながらお散歩。ライステラスの見えるカフェで休憩後、楽器の演奏を習う。さすがにピアノ歴の長い娘は上達が早い。その後は二手に分かれて、母娘はお買物とアルマ美術館へ。父と息子はホテルに戻ってプール三昧。夕食は蓮池のあるレストランで早めにとって、ガボールダンス鑑賞。昼間楽器演奏を習っただけに、指揮者もなくあれだけの速さの曲を乱れもなく演奏する技術に感動。
  • 翌日は1日観光。ゴア・ガジャからブキ・ジャンブル経由でブサキ寺院。キンタマーニ高原に移動してウルン・ダヌ・バトゥール寺院見学後、雄大な景色を見ながら昼食。帰りは民芸品を買い、テガラランのライステラスを雨のため車窓から眺め、スーパーに寄って安さに驚きながら買物をして8時間の旅が終了。夜は夫婦でバロンダンス見学、子供たちにはダンスは退屈なようでホテルの部屋でトランプ遊び。
  • 次の日は、朝は買物とプール遊びに分かれて、昼前に合流してネカ美術館へ(往復はホテルの車を送迎に利用)。お目当ての近くのレストランが閉まっていたので街中まで戻って昼食。午後も買物とプールでのんびり過ごす。夜はケチャダンスを見に行こうとするがお祭りのため中止。代わりにお祭りが町を練り歩く姿に遭遇。
  • 最終日は朝市を見に行ったあと、またまた買物。そして帰途に。
  • 空港では1ヶ所にいろいろな品が揃っているので、買い損ねたものを購入できるので便利。値段は街中より高いものの貨幣価値から考えると安く、時間も節約できる。

 

4. 感想

  • 観光地で群がる人、物売りをする子供たちを見て、日本に生まれた幸せを改めて感じる。しかし本当の豊かさとは何か、という思いがじわじわと胸を包んでくる。
  • そういう思いとは裏腹に、ホテルライフを存分に楽しむ。共通プールとスイート・ビラ専用のプライベートプール両方で泳ぎ、テラスでアフタヌーンティを楽しむ。う〜ん、至福の時。
  • 買物に関して言えば、共通の卸から卸されたような品物が店ごとに微妙に異なる品揃えで陳列してあり、値段も店によって、また交渉能力によって異なる、という感じ。製造元や卸元に行けばもっと安く大量に購入できたかもしれないが、今回はそこまでの余裕はなかった。子供たちにとってみれば自分で値引き交渉をしてみるのも、定価販売が当たり前の日本やシンガポールと比べると新鮮で楽しいひと時であったろう。
5. 謝辞
  • 観光ガイドの日本語は必ずしも十分ではなかったが、途上国にありがちな土産物屋に連れて行ってリベートを稼ぐ、という素振りを一切見せなかったのは特筆すべきであろう。こちらの要求に応えるように案内をして戴いて感謝している。
  • 中国正月のフライト確保の困難さは、同僚の苦戦ぶりを聞いていても良くわかる。その中で5人分の航空券獲得とホテル手配等に全力を尽くして戴いた奈良さんに改めて感謝申し上げたい。


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